
日常的に降る雨・・・本来ならそれほど問題は無いのですが、近代化が進んだことによる汚れた空気が原因と言われている「酸性雨」となると話は別です。酸性雨・酸性霧は広く知られているところですが、日本においても樹木の枯れ死や湖沼の酸性化、コンクリートの劣化などがあり、この酸性雨は地域によっては食用酢なみの酸性度を示すこともあります。こうした酸性雨は、さらに乾くにしたがって濃度を増し、愛車の塗装面にダメージを与えます。これを防ぐのが雨上がりの後の洗車です。しかし、それで十分なのでしょうか。雨上がりの前に常にキレイに保つこともとても大事です。日々の汚れを付けたまま、雨にあたり日差しも受けてホコリやチリもつく。そんな環境状態で乾かないまま直射日光を受けると汚れもキズもつきやすいのです。愛車をキレイに長持ちさせるためには、やはりマメな洗車なのです。

海浜地帯の潮風による塩害、塩分を含んだ砂の付着の他に、冬の雪道での凍結防止剤(塩化カルシウム)が散布されています。寒冷地では主要幹線道路や高速道路などで特に散布されますので冬でもマメな洗車で愛車を守りましょう!

意外に攻撃力が高いのが鳥のフンや虫です。すぐに洗い落とすのが面倒でつい後々に・・・と放置することも。しかし、これが「腐食成分」と「固着成分」を含む難敵なのです。まず、乾く前に軽く拭き取ることが理想ですが、乾いてしまった場合は、水でふやかしてから処理しましょう。強く擦ると「鳥のフン」には砂などが含まれていることがあり、キズの原因となります。夏など虫の活動時期に高速道路を走行すると虫の死骸が大量に付着します。車を走らせるという行為が虫たちの生命を奪ってしまうことは申し訳ないような気もしますが・・・ほおっておくわけにはいかないので、必ず処理をしましょう。

この「水垢」という言葉・・・よく聞く言葉ではありますが、「水」そのものではないのです。「水」に含まれる汚染物質によるものなのです。排気ガス、バイ煙など含んだ水が車のボディにつき、その汚れが紫外線を浴びることで化学変化を起こし、黒ずんだ水垢となるのです。
例えば、ドアミラー、ドアオープナーなどの下にすじ状のシミがあるのも水垢です。雨や洗車時の水道水がその奥に入り込み、ホコリ、汚れを吸収して流れ出したところに紫外線があたり、水垢となります。ボンネットやドアなどにつくのは手垢が原因。車に直接手で触れたままにしておくと、手垢の油分がホコリを呼び、それが雨と紫外線によって水垢になってしまいます。また、古くなって痛んだ「ワックス」の汚れも「水垢」のもう1つの正体です。ワックスの寿命は1〜2週間と言われています。古くなり光沢や撥水力を失ったワックスは放置すると逆に汚れの付着、浸透の原因となってしまいます。

粒子状の飛来物の中でもかなり厄介物なのがこの「鉄粉」。電車の線路沿いの車などは線路や車輪から出る鉄粉の飛散が激しいです。また、ブレーキダストと呼ばれる、ブレーキから出る小さな粉でホイールが黒く汚れる原因となっています。鉄粉は塗装面に刺さるように付着し、通常の洗車や磨きでは除去できません。放置するとクリア層を溶かし、塗装の内部まで食い込み、サビの引き金となります。マメな洗車で防ぐことができますが、塗装に食い込んでしまったら洗車では無理です。固着物を取り除く専用のケミカル粘土で除去しましょう。

<エチケットとしての洗車のススメ>
2年に一度の行事である「車検」ですが、汚い車は「×」という検査項目は存在しないと思いますが、検査官も人間ですので、「キレイな車」と「汚い車」では印象が違うのは当然です。また、車を修理等で整備工場へ入れる時も同様で修理担当者へのエチケットとしてもボディーや下部洗浄と車内清掃をしてはいかがでしょうか?
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